鍵赫 第7話「ゲマ女子の鍵」

第6話の閲覧ありがとうございます、励みになっております。引き続きよろしくお願いします。
ゲマ女子編2です。今気付いたのですが、第5話と第6話同じ題名になってましたね…いかんいかん。
こちら月ノ美兎様の配信より着想を得ております。みとあーとなのです。
第6話はこちら。

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なんてこった。
慶子さんにメッセージを送る暇もなく、「ゲマ女子」とメッセージを続けている。
顔も何も知らない人と、やりとりをするのは疲れるんだが。
「女子でVtuber好きって珍しいよね?」
何気なく話を振ってみる。
返信は早かった。その速度は、早いと言うより張り付いているレベルだ。
こんなSNSのやりとりなんて、片手間でやるものじゃないのか?
「いや、そんなこともないっしょ!うちが知ってるだけでも、何人も女子いるはずだし!」
なるほど。
意識してみなかったが、全部が全部おじさんばかりでもないのか。
まぁ、性別なんていくらでも偽れる気はするけど。
「確かに、僕の友達も女子だけど、このグループにいるし。モモンゴファンも幅広いのかもねぇ」
「ねぇねぇ、あなたはモモンゴちゃんの、どの動画が好きなの?」
そう聞かれると、ちょっと回答に困る。
隙間時間とか、レポートの合間に流し見していることが多いからだ。
どっしり腰を落ち着けて、特定の動画を見るって感じじゃないんだよな。
「うーん、ゲーム実況とかをよく見るね。テトリスとかかな。雑談的に飛び出す言葉が面白いと思ってる」
「わかる~!うちは、時間遡行ものが好きなんだよね!ゲーマーとしてはタブーなんだけど、なんか見てると笑っちゃう!」
へぇ…
時間遡行とは、ゲーム機の機能を指し、いわゆる「ズル」ができる機能のことだ。
ソフトとしてはやり直せないミスでも、ハードの機能としてやり直しができるので、「時間遡行」と呼ばれている。
「ところでさ。あなたは今好きな人とかっているの?」
「ん?急に来るね…」
いきなりのプライベートな質問、それに恋愛についてか。
なんて答えたら良いものか?
文字だけのやりとりだと、温度感もわからないので、余計に困る。
「好きな人っていうか、気になってる人はいるかな」
ネット上の知りもしない相手に本音を漏らしてしまう。
「へぇ!良いね!うちも気になる人がいるんだけど、その人の内面がわからないんだよねぇ…」
ゲマ女子なんて名前なのに、恋はしているのか。
要らないツッコミを入れようかと思ったが、やめておく。
「内面かぁ。それは話したり、付き合ってみないとわからないと思う」
「…それは、内面はわからなくとも、とりあえず付き合ってみろってこと?」
うん?ちょっと気に障ったのかも知れない。
「いや、そういうことじゃないんだ。ただ、あんまり気にしすぎてても、機会を逃すというか…気に障ったらごめんね!」
返信来なくなるかな…やってしまったかも知れない。
しかし自分自身が大胆にいけないくせに、人にはまぁ気楽に言えたもんだ。
…返信は相変わらず即だった。杞憂だったらしい。
「あ、そういうことか!対面してないと、難しいねぇ!うちも頑張ってみるよ!そうだ、折角仲良くなれそうだし、相互フォローしない?」
「うん、いいよ」
何はともあれ、僕は「ゲマ女子」の鍵アカウントとも相互フォローに。
どうでもいいが、あと絡んだことのない鍵アカウントは一人だけとなった。
いい加減寝ないと、明日がやばい。
無理矢理気持ちを落ち着かせ、目をつむるのだった。
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以上です。
みとあーとなので、月ノ美兎様の関連商品を紹介する義務があるのです!
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