鍵赫 第3話「推し活グループ」

第2話の閲覧ありがとうございます、励みになっております。引き続きよろしくお願いします。状況描写が難しくて、難産気味。鼻からスイカでそう。
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講義が始まるため、学部が違う僕と慶子さんは話を切り上げ、それぞれの講堂に向かった。
その後平凡な日常を送った僕は、足早に家に帰る。
家に帰るなり「幸せの文鳥」を起動した。
慶子さんから「モモンゴ推すンゴ」なるグループに招待されている。
彼女から「入るンゴ!」とだけメッセージが来ていた。
本名で登録していたのが仇となった形だ。まさかここまで早くアカウントをかぎつけられるとは…
慶子さんは、「Kちー」なるアカウント名だった。さすがに女子大生だけあって、本名で登録はしていなかった。まぁ、僕には状況から彼女が慶子さんであることはわかるのだけれど。赤の他人からはわからないだろう。
「モモンゴ推すンゴ」のグループでは、他愛もない会話が繰り広げられていた。
僕は挨拶程度の文を書き込むと、グループにどんなメンバーがいるのか確認することにした。
流行りのVtuberとは言え、比較的マイナーな「周央モモンゴ」のグループである。今何人くらいの人がアクティブに活動しているのか気になる。
グループ所属アカウント数は、ざっと50人弱だった。アカウント名から男女の区別はできないが、男性のものと思われる書き込みが多い気がする。
その中に3人、鍵付きのアカウント、いわゆる鍵アカが存在した。
このSNSでは、鍵アカは「フォロー」しなければ、その発言を見ることができない。発信先を絞ったり、無用な炎上をしたりを防ぐ効果があるといわれている。ただし、プロフィールは閲覧できる。
推し活グループに鍵アカで入る意味が正直わからないが、とにかく3人は鍵アカだった。
一つ目のアカウントは「モモ好きおじさん」というもの。まあ、オタクのおじさんなのだろう。プロフィール画像はモモンゴのアップで、絵に描いたようなオタクおじさんだ。
二つ目のアカウントは「ゲマ女子」。ゲームが好きらしい。名前から察するに、若い女性だろう。プロフィール画像は、猫だった。まぁ、これもありがち。
三つ目のアカウントは「闇からの使者」。自殺願望があるらしい。詳しい事情はわからないが、近づきたくないアカウントだ。プロフィール画像は真っ黒だった。
鍵アカなんてどうでもいいか…慶子さんのアカウントはオープンなわけだし。とりあえず大学生活を無難に送る上では、なにも支障はない。
彼女には、「招待ありがとう、今後ともよろしく!」と一応のお礼メッセージを送った。
…あまり、プライベートで女性、それも同年代と話したことがない僕は、距離感がわからない。
もちろん女性に興味はある。しかし、オタク趣味を前面に出したくはない。
僕は、自分でも嫌気が差すくらいに女性慣れしていないのだ。
趣味が一緒なら、そこから仲良くなれるのでは?でも、気持ち悪いなんて言われたくない。
慶子さんから大学の連中に僕の趣味がばれたら、それこそめんどくさい。目立たないように生きてきたのに。
あれこれ悩みながら、僕は意識を失い、深い睡眠に入っていった。
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以上です。やっと鍵アカ出てきた!
そして何回でも月ノ美兎様の商品を紹介するぞぉーーーー!
読んでいただきありがとうございました!感想などコメントいただけると嬉しいです!