第8話の閲覧ありがとうございます、励みになっております。引き続きよろしくお願いします。
闇からの使者と邂逅する僕。
あと2話で終わります、多分。
さてこちら月ノ美兎様の配信より着想を得ております。みとあーとなのです。
前話はこちら。
第9話、いきます。
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「闇からの使者」とのやりとりが続く。
突然の性的虐待カミングアウト。
僕はどう答えればいいのか?
一体、僕は何を求められているのか?
答えはわからないが、誠実に向き合おう。
そう決意した僕に、メッセージが届く。
「光弘君、今暇?」
慶子さんからだった。
待っていた相手からのメッセージではないことに戸惑ったが、やっぱり嬉しい。
「うん、時間あるよ。今日は大学では会えなかったね~」
すぐに返信がくる。
「ありがとう、誰かと話し中じゃなかった?オンラインになってたから…」
SNS「幸せの青い鳥」では、相手のオン・オフラインがわかるようになっている。
だから、相手から返信が来るかどうか、おおよその検討がつくのだ。
「あ、よくわかったね。今、例のグループの人とメッセージ交換していたんだ」
慶子さんに返信した途端、「闇からの使者」からもメッセージが届く。
「ごめんね、引かせてしまったかな?だとしたら申し訳ない」
引く、か。
確かに、いきなり「父親からの性的虐待」をカミングアウトされても、どうにもできない気持ちはある。
だけど、それをカミングアウトしてくれたってことは、僕に何かを期待しているんじゃないか?
そう考えたら、この人を無碍に扱うことはできない。
僕は先に慶子さんに返信することにした。
「ごめん、今日はグループの人とのやりとりに集中してもいい?なんだか真剣な悩みみたいでね」
慶子さんからの返信は早かった。
「大丈夫!じゃ、また今度!」
続いてもうひとつの返信を送る。
「正直驚いたけど。引いてはないよ。むしろ、なんで僕なんかに話してくれたのかが気になっているかな」
「なんでだろうね。ボクのことを知って欲しかったのかも」
「過去の性的虐待が原因で、男性不信になったりすることもあるとは聞いたことがある。確かに世の中の男性には、そういう人もいると思う。けど、そんな人ばかりじゃないって知ってほしい」
…ちょっと押しつけがましいか?
でも、トラウマを抱えた人が、幸せになるのは壁があると思う。
その壁を取り除くのか、忘れさせるのか。
手助けができれば、こんなに嬉しいことはない。
返信がくる。
「うん、ちょっとトラウマにはなっているよ。幸いにも、直接性的な行為をしたわけじゃなくて、体を触られたくらいなんだけど…それでも、男の人が苦手な気持ちが消えなくて」
体に触られたくらい、か。
でも、信頼していた父親に突然そんなことをされたら。
…耐えられないだろうな。
アカウント名の「闇からの使者」ってのも、中二病じゃなくて、本当に闇を抱えて生きている証左なんだろう。
「嫌だよね。身内ならなおさら…どう言えばいいかわからないけれど。無理せず、少しずつ克服していくしかないね」
「ありがとう。ちょっと心がすっきりした。実は、このことを話すのは、君がはじめてだよ。良かったら、今後とも仲良くしてね!」
なんだかわからないけれど、どうにか「闇からの使者」の求めていた答えには辿り付いたらしい。
いや、ただ「地雷」を踏まなかっただけかも知れないが。
「それは良かった!こちらこそよろしく、相互フォローしよう」
気付くと鍵アカウントは僕に開放されていた。
…慶子さんをないがしろにしてしまったが、明日謝ろう。
僕は寝ることにした。
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以上です。
あと2話、がんばるぞい!
さて、月ノ美兎様の商品紹介です。みとあーとの務め!
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