人狼ジャッジメント小説~9人地獄編~2日目夜と3日目の朝

2日目夜と3日目の朝、通算4話目です。前回記事はこちら。
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結局、その日の投票は行われず、無論処刑される者も出なかった。
夜になり、夕食を終えると、各々の部屋に戻ることとなった。
これは互いのプライバシーと、男女の性差を配慮しての総意で決定されたことだ。
…屋敷に犯人がいなければ、もう誰も犠牲にはならない…
そうなるはずだった。
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三日目の朝を迎えた屋敷。
アンナ「きゃあアアアアア!いやあああああ!」
アンナの叫び声で、朝の静寂は破られる。
チャン「どうした!?」
チャンが慌ててロビーに入ると、そこには。
…変わり果てたマリアンヌの姿があった。
衣服ははだけ、豊かな胸が露わになっており、流血に染まっている。
その体はモビーと同様、凶暴な肉食獣に襲われたように引き裂かれていた。
チャン「まさか…なんてことだ!」
チャンはそうつぶやくと、カーテンをマリアンヌの遺体にかける。
程なくして、8人がロビーに姿を表す。マリアンヌを除いた全員が揃ったことになる。
トーマス「チャンさん、まさか…」
ジェイ「…待ってください、また犠牲者が出たとでも?」
マイク「ジェイさん、見りゃわかるぜ。こうなったらもう、この中に…人狼がいるんだろうな」
チャンは黙っていた。
フェイとアンナは抱き合い、震えている。
スーザンは二人に声をかける。
スーザン「あんたたち、大丈夫?」
フェイ「な…なんなの?一体何なの、これは!?」
スーザン「あたしが聞きたいよ…」
ロディ「ねえ…チャンさん。もうこれは人狼がこの中にいるとしか思えないんだけど?」
ロディの問いかけに、チャンはゆっくりと頷く。
チャン「こうなったらそう考えるしかないだろう。人狼がこの中にいて…このままだと皆殺される」
トーマス「そうじゃのう…全員、話を聞いてくれるかのう?」
全員がトーマスに注目する。
トーマス「まだ吹雪がやむ気配はない。もはやこの中に人狼がいるものと考えるべきじゃろう。これから、ゲームブックに則って話合いをはじめようぞ。人狼は儂らの手で退治するしかあるまい」