ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第11話
2020年5月15日

第11話。ジャンケンに負けた三四郎は…
前回記事はこちら。
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部屋の隅に移動した三四郎を後目に、二郎は考えていた。
この先も事ある毎に、男色を強要されるのだろうか。
その度に避けられれば良いが…
シコシコ、シコシコ。
三四郎の自慰の音が、リズミカルに室内に響く。
二郎はなるべく聞かないようにしながら、思考を続けた。
「おう、終わったぞ!」
三四郎がティッシュの包みを二つ持って二郎に話しかける。
「ああ、ありがとう」
二郎は答えながら、そのうち一つを受け取る。
生命の温かみを感じる包みだった。しかし三四郎のものを包んでいると思うと、二郎は途端に気恥ずかしくなって目を背ける。
「そんな顔するなよ二郎…俺の気持ちを考えろよな!」
三四郎は怒ったようなおどけたような、何やらわからない口調で言うと、部屋を出る。
「あ、ごめん三四郎君!」
二郎は慌てて追いかける。
士官室の前に来ると、二人は口裏を合わせる。
「いいか二郎、お互い手でしたことにするぞ?」
二郎は黙って頷く。
ガラリ。
士官室のドアを開けると、ちょうど木村が目の前にいた。
「お、早かったな?もう少し逡巡すると踏んでたんだが…」
木村は二人に近づき、包みを見る。
「ふむ…その様子だと、出したことは出したようだな」