ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第10話
2020年5月12日

第10話。二人の秘策とは…?前回記事はこちら。
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どうにか誤魔化して、この場を乗り切る。
それが二人の出した結論だった。
「僕も丁度考えていたところさ、三四郎君!」
三四郎が声を潜める。
「し!そんなデカい声で言うなよ…」
「あ、ごめん」
二郎はすまなそうに俯く。
「しかし、どうしよう。こんな状況じゃあ…その、自慰も出来ないと思わない?」
二郎が不安そうに三四郎を見る。
「まあな…しかし、やるしかねえだろ?」
三四郎はそう言うと、二郎から視線を外して外を見る。
「見たところ、窓から覗いてるような素振りもないな。そんなに暇じゃなさそうだ」
続いて三四郎が部屋を見回す。
「それに、監視カメラらしいものも見当たらねぇ。まあ、大丈夫だろ」
二郎も通路側の窓を確認する。
「うん、こっちも大丈夫そうだね。しかし…問題は証拠だよなぁ…」
三四郎が頷く。
「まあな。こんな状況で出せりゃあ、世話はねえよな…だが、考えようぜ」
二郎も考えたが、良い案は浮かびそうに無かった。
「三四郎君、ジャンケンで負けた方がさ…二人分出して、提出するってのはどうかな?」
「はぁー!?」
三四郎は驚きのあまり、素っ頓狂な声を上げる。
「いやお前なぁ…」
言いかけて、三四郎はやめる。それしか手が無いことに気付いたらしい。
「あー…まあそれが一番早いか。二人分ってのはキツイから、1回出して、それを分け合おうぜ?」
二郎は受け入れられたことに安堵する。
「よし、そうと決まったらジャンケンだ。最初はグー…」
二人は声を合わせる。
「ジャンケンポン!」
結果は、三四郎の負けだった。
「マジかよ…ちょっと待ってろ、絶対こっち見るなよ?」
三四郎はうなだれながら、部屋の隅に移動した。