ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第7話
2020年5月3日

第7話。穴掘軍の教育とは…?。前回記事はこちら。
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ガラリと教育室の扉が開くと、若い男が入ってくる。
「君達だけか、今日の入隊希望者は」
男はそう言うなり、教壇に立つ。
「私は木村中尉だ。ここで教育係の幹部として勤務している」
二郎と三四郎は、自然と直立して挨拶をする。
「よろしくお願いします!」
二人が元気よく挨拶をすると、木村は着席を促す。
「うん、元気があってよろしい!」
木村は満足そうに続ける。
「君達も知ってのとおり、我が穴掘軍はクーデターに成功したばかりで、はっきり言って余裕がない。猫の手も借りたいほどに忙しいところだ」
木村は二人の目を見つめる。
「いつ旧政府の反撃が起こるかもわからんのだ。つまり、治安維持のための戦いは厳しいものとなることが予想される。そのための訓練も厳しい。覚悟は出来ているか?」
二郎と三四郎は顔を見合わせる。
「勿論です!」
木村は頷く。
「よし、それでこそだ。では、我が軍の訓練について説明する前に…」
木村は二郎と三四郎の肩に手をかける。
「君達、つがいになれ。わかるか?」
二郎はあっけにとられた様子で、首を振る。
三四郎が口を開く。
「つがい…ですか?よくある、バディ的なことではなく?」
木村はにやりと笑いながら話す。
「無論、君達はバディである。しかし、それ以上につがいなのだ。我が軍に裏切りものは要らない。政治的イデオロギーの対立も許されない。文字どおり、僚友への愛情とともに生き、戦うのだ。そのためには愛の儀式が必要だ」
二郎は頭の中が真っ白になっていた。