ああ穴掘軍隊、弾痕物語~俺の臀は貴様と共に~第2話


第2話。前回記事はこちら。事務所で出会った二人。

ーーーー

入隊希望用紙に記入する二人は、黙々と鉛筆を走らせる。

「お、もう書き終わったのかな?今日は君達しか来なさそうだからね、ゆっくりでいいんだよ?」

案内係の男はそう言ったが、ちょうど二人とも書き終えたところだった。

「いえ、もう終わりました、確認お願いします!」

二郎は元気よく返事をして用紙を提出する。

三四郎もこれに続いて提出した。

「うむうむ、二人とも字が書けるなんて偉いなあ。田舎出身だろう?おじさんの頃は、字なんて書けなくても生きていけたもんだったが…」

感慨深げに男は用紙を点検する。

「字くらい書けますよ、今時」

三四郎は素っ気なく返事をする。

男は失礼したとばかりに頷く。

「そらそうか。うん、記入漏れはないな。では、簡単に入隊試験の説明をしよう」

男は黒板に書いてある文を読み上げる。

「知ってのとおり、我が軍は戦争を終えたばかりで人手不足でな。クーデターも一段落とはいえ、まだ旧政府の連中はそこかしこにいる」

男は大きく深呼吸をして続ける。

「そんなわけで穴堀軍としては、人手は欲しいがスパイはゴメンだ。だから、君達には特別な試験を受けてもらう。たった一つだ」

男は二郎と三四郎の肩に手をかけると、言い放った。

「…大変言い難いんだが、君達童貞か?」

二郎は恥ずかしげもなく声を出す。

「はい、童貞です!」

三四郎も頷く。

男は続ける。

「ふむ…そうか。可哀想に…」

二人の顔を見て、それから背を向ける。

「我が軍ではな…同性愛により、結束を固めておるのだ。特に兵隊はな…」

二郎と三四郎は、噂が本当であった事に驚きを隠せない。

ーーーー昔から、軍隊では同性愛が蔓延りやすい。特に男性同士は。

原因は様々だが、軍隊が一般的に男社会であることにも起因するだろう。

また、恋愛感情を利用して強力な軍隊を作るために同性愛を奨励することさえある。

二郎が口を開く。

「僕は同性愛に興味はありません。かといって、好いた女子もいないのですが…」

三四郎も口を挟む。

「俺もです。その…ホモじゃないと穴堀軍には入れないんですか?」

困惑する二人に、男が答える。

「いや、なにも今すぐって訳じゃあなくてな。そこは自由恋愛だ。だが…」

「それだけの覚悟を持って入ってこいという話である。二人とも、今の反応を見るとスパイでは無さそうだな」

男は安心した顔で言う。

「実はな、上からの指示で、入隊希望者には聞かねばならんので聞いただけだ。明日から早速、教育所に案内しよう」

「ありがとうございます!」

二人は元気に返事をして、事務所を後にしたのだった。

男は二人が去ると、独り言を言う。

「…元気に頑張るんだぞ、青年…穴堀は穴が好き、でな」


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