第31話。忠男目線。前回記事はこちら。
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僕は愛菜の腹部に射精した。
愛菜は腟内に欲しがったが、僕はまだ子どもを作りたいとは思っていないからだ。
まだ婚約関係だし、もう少し二人でいる時間を楽しみたい、それが本音なんだけど。
愛菜はどこか不満そうだった。
なんでだろう、いつもは不満を態度に出したりしないのに。
今日は鈍感な僕でも、わかるくらいに不満そうだ。
しかし、結局愛菜は口には出さなかった。
今日も愛菜を満足させてやれなかった自覚が、なんとなく僕にもある。
また自分だけ、だったかもしれない。
「ありがとう、愛菜。気持ちよかったよ。でも子どもはまだよくないか?」
僕は何気なく声をかける。
「うん、そうだね…シャワー浴びてくる…」
愛菜はそういってスマホを握りしめてシャワールームに向かう。
なんだよ、なんか素っ気なくないか?
そんなことを思いながら僕は、シャワーの順番を待つことにした。
そう言えば、流れに誤魔化されたけど、結局誰からのメールだったんだろう?
シャワーにまでスマホ持っていくし。
覗き見るのは性に合わないけど、どうするべきか…