長崎原爆の日から74年…松尾あつゆきさんの俳句を思う。
2019年8月9日

お疲れ様です。今日は長崎に原爆が投下されてから74年目。

長崎出身の俳人で、原爆で家族を失った、松尾あつゆきさんについて。
松尾あつゆきさんは、長崎で妻と4人のうち3人の子どもを原爆で失いました…
教師であった松尾さんは、教え子の支援を受け、被爆体験を綴った句集を出版しています。
5・7・5にこだわらない自由律俳句が特徴だそうです。
前置きはこのくらいで、その俳句をご紹介。
松尾あつゆき著
“原爆句抄”より
すべなし 地に置けば子にむらがる蠅
かぜ、子らに火をつけてたばこ1本
朝霧 きょうだいよりそうたなりの骨で
まくらもと子を骨にしてあわれちちがはる
炎天、妻に火をつけて水のむ
なにもかもなくした手に四まいの爆死證明
涙かくさなくてよい暗さにして泣く
ここまで。
自由律ならではの表現とかは置いて、この虚無感。
妻と子を亡くした無念たるや如何ばかりか…
行間から無念を感じ、涙が止まりません。
平和を守らないといけない、そんな気持ちにさせてくれる俳句でした。
どんなテレビの特集よりも、突き刺さる言葉の偉大さ。